「実務経験 30年 以上」の「一級建築士・マンション管理士」によるマンション・団地の「疑問・お困りごと」・「大規模修繕工事の進め方」・「安心・快適な暮らしのヒント」などのアドバイスをする個人のブログです。

【超入門】マンション・団地 安心・快適になる「リノベーション」の知識

【超入門】マンション・団地 安心・快適になる「リノベーション」の知識

ブログを始めた時の目標の一つが「とにかく分かりやすくしよう」です。
お伝えしたいことが多くあるので書き始めるとどうしても、言葉が多くなってしまっています。
【超入門】では、出来るだけ分かりやすくしました。

本コラムの内容をもっと詳しく知りたい方は、別コラムの「マンション・団地に安心して快適に住まうには」をご覧ください。

はじめに

あなたが住戸をリノベーションする際に知っておいてほしい事
リノベーションをする時に、


どんなテイストの内装にしようか?
間取りをどうするのか?
キッチンは使いやすくカッコ良くしたい
お風呂を大きくしたい
収納を沢山設けたい  などなど


たっぷりと「時間」と「労力」をかけて考えると思います。
とても楽しい作業ですよね。

それとは別に、「見過ごされがちな」住宅としての基本性能を上げておく事が、実はとても重要だと言うことをお伝えします。
つまり、基本性能に「しっかりお金をかけましょう」という事です。


これらをしっかりしておくと、1年を通して「驚くほど快適」に暮らせるようになります。

住宅の基本性能

  1. 断熱性能
  2. 気密性能
  3. 遮音性能
  4. 換気性能

これらの、基本性能を上げるには、主に以下の対応が考えられます。

  • 外壁の断熱材
  • 高性能の窓サッシ
  • 24時間換気

外壁の断熱材

外壁コンクリートの内側には、「断熱材」とよばれる発泡ウレタン材などが吹付けられています。
内装材で隠れているので、内側からは見えません。
外部から空気を入れる、「丸型」や「四角形」の「給気口のキャップ」を外すと、「隙間」から見えるかもしれません。
青色や黄色のモコモコした素材です。
これは、外部からの熱を遮断するためのもので、厚く吹付けられている方が、「断熱性能が高い」のです。

新築の場合には、「黙っていても」この「断熱材」を吹付けてくれます。
既存の建物を、「リノベーション」する場合には、当初の断熱材を「そのまま」にしている場合があるので、確認が必要です。
古い建物の場合には、断熱材が「薄かったり」、「ほとんど無い」という場合も見かけますが、「そのまま」では断熱性能が低いままです。
しっかりと、「断熱材」を入れてもらうようにしましょう。

寒冷地では「特に厚く」しますので、設計者・施工者に「厚み」と「性能」などを、「確認」をしておくと良いでしょう。
希望すれば、断熱性能を上げるために、「より厚く」してもらう事も可能です。
その分、少しですが費用が掛かり、厚みが増えるので、数センチだけ部屋が狭くなります。(ほんの少しです)

高性能サッシ

古いマンション・団地に住んでいると、窓サッシは「悩みのタネ」ですね。

水が浸み込んできたり
隙間風が入ってきたり
外の音をほとんど素通しだったり
結露したり。

そこまでではなくとも、あまり性能が高くない、「窓サッシ」の場合もあります。

最近のマンションの「窓サッシ」を実際に触れてみると、ものすごくガッチリとしています。
古い窓サッシと比べると、全く別物になっているのが分かると思います。
そして、ガラス自体も「かなり進化」をしています。

マンション・団地のリノベーションでは、窓サッシとガラスは「既存のまま」とする場合があります。
窓サッシとガラスは「共用部分」であって、勝手に変更できないという事情もあります。
(ガラスが割れた場合に、同様のものに個人で交換することは、問題ありません)

しかし、きちんと申請をすれば「認めてもらえるケース」がほとんどだと思います。
(コンクリートを壊さずに窓サッシを新しくする「カバー工法」というやり方があるので、それを説明すると「承認を得やすく」なります)

窓サッシとガラスは、今と昔とでは「全くの別物」なので、是非交換をしたい部分です。
その際には、新しいものでも「性能がピンキリ」ですので、出来るだけ良いものを選んでください。

ガラスで言うと「ペアガラス」はあたりまえです。
「LOW-Eガラス」という「遮熱性に優れた」ガラスもあります。
遮音性という事では二重窓が効果的です。

現状の「窓サッシ」と「ガラス」を交換すると良いのですが、「申請しても窓サッシの交換が認められない場合」には、内側にもう一つの窓を取り付けて、「二重窓」にするという方法もあります。

24時間換気

新築のマンション・団地では、「法的に設置が義務」となっています。
個人のリノベーションの場合には、「法的な申請が不要」なので、設置していない場合が多い」と思います。
是非取り入れたい設備です。

「建材」自体や接着剤などの有機溶剤により、「アレルギー」を発症する、「シックハウス」が社会問題となりました。
これを受けて、「24時間換気」が義務化されました。
居室(リビング、ベッドルームなど)において、「2時間」で、すべての空気が「入れ替わる」性能(0.5回/h)の換気扇を、「24時間」作動させ続けるようにしたものです。

浴室換気扇を24時間「微風量」で動かす、以下の「方式」が主流です。
居室の給気口(空気取入れ)→居室ドア下→廊下を経由→浴室換気扇→外部へ排気

シックハウス対策だけではなく、新鮮な空気を取り込んで、「二酸化炭素」や「ホコリ」などを排出するので重要です。

外壁にある給気口について
余談になりますが、断熱性、気密性、遮音性の観点からは「マイナスの存在」です。
一生懸命、断熱材や高性能サッシで対策しても、この穴から「ダダ洩れ」なのです。
しかし、これを常に開けておかないと、「24時間換気」が出来ません。

オフィスなどのビルでは、給気も「機械」で行って、それらの「ロスを軽減する」仕組みになっています。
本当は住宅でも取り入れると、良いですね。
「設置コスト」や「電気代がかかる」事もあって、普及していません。

古いマンション・団地では、「給気口」が無く、その代わりに「窓ガラスの上の部分」だけ、「小さく開け閉め」できるようになっている場合があります。
「給気口がない場合」で、「高性能サッシ」に交換した時には、「小さく開け閉めする部分」が無くなってしまうので、壁に穴を開けて「別に給気口を設ける」必要があります。
但し、「壁に穴を開ける」事は、「認められない」場合が多いと思います。


このような場合には、「構造上問題ないことの証明」を添えて、管理組合に届出をして、認めてもらう事になると思います。
設計者や施工者に相談すると良いでしょう。
「安全性を証明」しても、「問答無用で不可」とされてしまう場合もあるので、「事前に確認が必要」です。

さいごに

ここで取り上げたことを、あなたが「知識」として持っておくことが大事だと考えます。

個人の住戸のリノベーションの場合には、先にも書いた通り「法的申請が不要」であり、「普通の人は知らない事」があります。
そのため、「うっかり」または「故意に」、「基本」でかつ「重要」な部分が抜けたり、不十分だったりする場合があります。

しっかりした、「設計者」や「施工者」であれば、「対応をしてくれているはず」ですが、「自分でも確認することが重要」なのです。

住戸内の「給排水管」も、見えない部分にあって、「錆びだらけの古いまま」になってしまっている場合もありますので、注意しておきましょう。
(電気線やガス管は古くとも割と問題のない場合が多いですが、念のため確認はしておいた方がよいでしょう)

疑問点や分かりにくい部分などありましたら、コメントバックまたは「お問合せ」にてご連絡下さい。
また、「リノベーション」などについて、あなたのお考えや経験談などもお聞かせください。

当ブログでは以下を「重視」しています。
● 災害時の「準備」(防災)
● 安心で快適な「暮らし」
必ずしも、私が使っているものではありませんが
以下の準備や利用を推奨致します。

プロのハウスクリーニング

 

大規模修繕のように数年に1回程度、「プロ」にクリーニングをお願いしましょう。

気持ちもスッキリして、快適な「暮らし」が実現できます。


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安心・快適な「暮らし」のために、自宅の内部を整理しましょう。

要らないものは、処分して身軽になっておきましょう。


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