【超入門】マンション・団地 防災(災害への対応)
【超入門】です。
まずは「見出し」と「アンダーライン」のある文章だけを「飛ばし読み」して頂ければ、おおよその事が「理解」できます。
もう少し詳しく知りたい方は、「本文」も読んでいただければ幸いです。
はじめに
マンション・団地で出来る「災害」への対応について出来ること
- マンション・団地全体で「備える」(共助)
- 個人で「備える」(自助)
「備える」とは以下の二つの事です。
- 被害を「防ぐ」「小さくする」ための準備
- 被害から立ち直るための準備
「共助」とは、「周りの人と助け合う」事を言います。
「自助」とは、「自分で守る」事を言います。
「公助」もあって、役所や消防・警察による「救助活動」や「支援物資の提供」などを言います。
これらの「備え」をしておくことが「防災」です。
マンション・団地全体で「備える」(共助)
日頃から「準備している」、危機意識の高い管理組合と
ほとんど「準備していない」、危機意識の低い管理組合とで
「二極化」しているのでは、ないでしょうか?
マンション・団地全体で「出来る事」は、実はあなたが思っている以上に、「多く」あります。
その中には「備蓄」だけではなく、「かなり大がかりな対策」も含まれます。
それらを「どこまで備えておく」のか、事前に皆さんで話し合いをすると良いと考えます。
箇条書きであげます。
- 防災マニュアルの作成
- 防災訓練の実施
- 備蓄品の確保(食料・水など)
- 電力の確保(蓄電池・発電機など)
- 上水の確保(受水槽)
- 下水の確保(防災トイレ)
- エレベーター運行確保(耐震性)
- 避難路確保(玄関ドア)
- 安否確認(インターホンの利用) など
防災マニュアルの作成・防災訓練
防災マニュアルは、「是非作ってほしい」アイテムです。
防災マニュアルを作って、防災訓練をしてみるまでが、「一連の作業」と考えると良いでしょう。
これを行う事で、その後の様々な「確保すべきもの」に対する「意識」が高まります。
まずは、ここから始めてみましょう。
作成の「方法」や「ひな型」は、色々な行政で、公開しています。
お勧めは
荒川区「マンションですすめる防災対策の手引き」です。
「基礎知識」から「マニュアル作り」までが、とても「シンプル」にまとまっています。
インターネットで「荒川区 マンション防災」と検索すると出てきます。
こちらを参考にして、「実践」してみる事をお勧めします。
【荒川区HPより】
他の色々な区や市などでも、「手引き」を発行しています。イラストなど豊富で「良さそうに見える」のですが、情報がありすぎて逆に「わけ分からん状態」になっているように思いました。(笑)
また、単にマニュアルの「ひな型」だけの、そっけないものもありました。
話がそれますが、今回調べてみて分かったのですが、区や市毎に同じようなものを、「それぞれで」作っているのです。 随分と無駄な感じがしました。
地域による、多少の「個別性」はあるでしょうが、「●区」に住んでいるから、「●区の手引き」に沿って「作らないといけない」という事はないですよね。
電力の確保
基本は「自助」、つまり個々で乾電池、蓄電池、発電機などを用意する事。
規模の大きな高層マンションの場合には、「自家発電機」が設置されています。これは、火災による停電時などに、「消防設備」や非常用エレベーターを動かすための設備です。
「非常用発電機」とも言います。
この発電機の「稼働時間」は30〜60分程度です。
自家発電機の「稼働時間」を延ばす事が、マンション・団地全体の「電力の確保」になります。
具体的には、軽油などの「燃料」を多く備蓄する事が、必要です。
長時間稼働出来るように機械の「改造」が必要な場合もあります。
稼働時間は「3日間」以上が望ましく、「1週間~10日程度」出来ると更に良いと思います。
かなり、ハードルが高いので、「建築設計事務所」に相談しましょう。
【国交省 北海道開発局HPより】
エレベーターの運行確保
「電力の確保」が出来れば、エレベーターの1台だけは運行時間を制限しつつも、「運行させたい」ですね。特にタワーマンションで、「在宅避難」している場合には、必要です。
「大地震時」にはエレベーターは停止してしまいます。
「点検」をして「再稼働」出来れば良いですが、大地震時には、「エレベーター」自体が「壊れてしまう」場合があります。
エレベーターシステムの「地震対策」は進んでいます。
しかし、多くのマンション・団地では、「古いまま」になっています。
対応するには「多額」の費用が掛かるためです。
あまり、「切実に感じない」ので「そのまま」になっているのです。
「防災」という観点から、対応が望ましいでしょう。
以下の「14耐震」というのが「最新」の対策です。
【日立製作所HP 日立評論より】
下水の確保(防災トイレ)
災害時には、「トイレ」が使えないという「緊急事態」が発生する事があります。
まずは「自助」が基本で、「凝固剤」の入った「非常用トイレ」の準備が必要です。
「共助」としても、準備しておきたい「重要」な対策ですね。
マンション・団地によりますが、「汚水ます」というものが、外構や駐車場などに設置されている場合があります。
(外構:建物の外側の部分の事)
汚水ますの「マンホール」などのフタを外し、上に便器を設置して使用します。
「災害用マンホールトイレ」というものです。
【東大和市HPより】
【国交省HPより】
あなたのマンション・団地で、「使用出来る」のであれば、是非とも「用意」しておきたい、「非常用資材」です。
「設置可能か」を確認した上で、「災害用マンホールトイレ」を管理組合として「準備」しておく事を推奨します。
合わせて、衛生対策として「消毒薬」なども準備しておきましょう。
上水の確保(受水槽)
「受水槽」があると、災害時の「水の確保」になります。
「受水槽」とは、マンションの1階や地下の室内や外構に設置されている、クリーム色をした、FRPなどで出来た、「水を貯める」大きな容器です。
何トンもの「水」が貯まっています。
水道管から「直結」しているマンションには、「設置されていません」
【津山市HPより】
「受水槽+直送ポンプ方式」
「受水槽+高架水槽方式」
「受水槽の無い直結方式」
「受水槽」は衛生管理が重要なので、定期的に点検・清掃します。
最近では、費用や衛生的な観点から、「受水槽」をなくして、「直結」にするマンション・団地も増えています。
しかし、災害時の「水の確保」という観点から、残しておく事が「望ましい」設備とも言えます。
「日常」を取るか、「災害時」を取るかは、悩ましいところですが、私は「受水槽」を残しておく事をお勧めします。
停電などでポンプが使えずに「水道」が使えなくなっても、「受水槽」から直接、「水」を取り出す事が出来ます。
また、「取り出しにくい」ようであれば、「災害時の取出し口」として、水栓を追加しておいても良いでしょう。
避難路の確保(玄関ドア)
多くのマンション・団地の玄関ドアは、大地震の際に、枠が歪んで「開かなくなる」危険性があります。
「開かなくなる」と、「とっさの避難」が出来ませんし、無理矢理開けると、壊れてしまって、その後に「在宅避難が出来なくなってしまう」可能性もあります。
【YKKap HPより】
最近では、「耐震仕様」の玄関ドアがあります。
「玄関ドア」は「共用部分」なので、管理組合として、「全戸一斉交換」を検討してみても良いかと思います。
【YKKap HPより】
「耐震ドア」を調べていたら「貼るだけ」という商品を見つけました。
株式会社ビュードが販売・取付している「アケルくん」という商品です。
「玄関ドアの枠」の内側に貼り付けておいて、枠が歪んでも「アケルくん」により隙間を作ってドアを滑らす事で、「小さな」力で開ける事が出来るという「仕組み」のようです。
こちらは、「販売」と「取付」までがセットです。「販売だけ」はしていません。
1戸だけの発注の場合には、「5~5.5万円(税別)」、20戸位でまとめての場合には「2.2~2.5万円(税別)」位のようです。(2021年10月時点)
興味のある方は調べてみてください。
色々あるんですね!
【株式会社ビュードHPより】
さいごに
「災害」は必ずやって来ます。
「備えておく」必要があります。
「大地震」だけではありません。
「豪雨」などによる「水害」
「スーパー台風」による「暴風被害」
「火山噴火」による「火砕流・火山灰被害」
など、想定される「災害」は多くあります。
完全な備えは、難しいでしょう。
まずは、「身の回り」から始めてみましょう。
次にマンション・団地の「管理組合として」出来ることを皆さんで「話し合って」みましょう。
誰かが始めないと、何も起きません。
「あなた」が始めてみませんか?
最後まで読まれた方は、別コラムの「【超入門】マンション・団地の「耐震」とは」や、【災害・防災】のコラムも是非ご覧ください」
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