「実務経験 30年 以上」の「一級建築士・マンション管理士」によるマンション・団地の「疑問・お困りごと」・「大規模修繕工事の進め方」・「安心・快適な暮らしのヒント」などのアドバイスをする個人のブログです。

【より良い暮らし】マンション・団地 資産価値の向上

【より良い暮らし】マンション・団地 資産価値の向上

古いマンション・団地は段々と資産価値が下がっていくと思っていませんか?
これからは、そんな考え方が「変わっていく」のではないかと考えます。

「資産価値」を維持・向上するように色々な取り組みを「する」のと「しない」のでは、「売買価格」などに大きく影響することになります。住まう上での「快適性」にも関係します。

「断捨離」しましょう。

 

「より良い暮らし」には「断捨離」が不可欠

本当に必要なもの以外は、思い切って処分です。


はじめに

あなたが所有している住戸は「マンション・団地の一部」です。
あなたは住戸だけではなく、建物全部を所有しています。
(住戸は「区分所有」、住戸以外の部分は土地も含めて「共有」という形での所有)

マンション・団地は、あなたが所有している「最大の資産」ではないでしょうか?
安全資産として、「預貯金」したり、運用資産として「投資信託」や「株」にしたりしているかと思いますが、その総額より所有しているマンション・団地の方が、金額的に大きいのではないでしょうか?

「大事な大事な資産」を、何もしないで「ほっておく」という事で、時間と共にその資産が目減りしているのです。

住宅性能表示

古いマンション・団地は「安くなっても仕方ない」と思っていませんか?
これからの時代は、日本でも「新築案件」は少なくなっていくと予想されます。
これからは、「中古案件」の流通が多くなっていくのです。

「今の」マンション・団地では「住宅性能表示」により、「客観的」にその「性能」が示されるようになってきています。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき設立された「制度」です。

国に登録した民間機関が、「共通の基準で評価」します。
専有部分である「住戸」だけなく、「建物全体」も評価の対象になっています。
マンション・団地の購入を検討している人は、住宅の性能を「共通基準による評価」によって比較することができます。

その他にも、色々メリットはあるのですが、中古の売買の際の目安にもなります。
いわゆる「保証書」のようなものです。
マンション・団地を購入する際に、まず選定の基準とするのは「立地」「間取り」「価格」だと思います。
その次に「住設機器」いわゆる、キッチン、洗面化粧台、ユニットバスなどの「グレード感」や「使いやすさ」などです。

これらの「選定基準」は、あなたを含めて普通の皆さんが評価することが出来ます。
「専門知識が不要」という事です。
しかし、建物自体の基本性能としての「耐震性」「劣化への対策」「温熱環境(断熱性など)」「維持・管理のしやすさ」については、分からないですよね。
これらが明確になって、比較できるようになっているのが「住宅性能表示」です。
時代は、ここまで来ています。

「プロ」のハウスクリーニング

 

大規模修繕工事のように、何年かに一度は

「プロ」のクリーニングをしてもらいましょう。

おウチの中がスッキリします。


中古マンション市場の拡大と競争

そして、これから「中古」マンション・団地の流通が多くなってくると、どんな「基準」で選ぶと良いかという「情報」がどんどんと公開されてくると考えます。
つまり、より中古売買の「競争」が激しくなってくるという事です。

そこで、先の「選定基準」以外に、以下のような事が「基準」として挙げられてくるのではないでしょうか?

  • 管理費・修繕積立金の月額の設定の妥当性
  • 修繕積立金の残高
  • 管理費・修繕積立金の滞納の有無
  • 管理規約や長期修繕計画の有無・更新頻度
  • 大規模修繕工事の実施時期と予定
  • 漏水など不具合の有無

マンション・団地の運営(維持・管理)がどれだけしっかり出来ているのかという事です。
最悪なのが、管理組合が実質的に「機能していない」マンション・団地です。
国でも、「問題視」しており「マンション管理適正化法」を改正して、「強化」しました。
東京都では「東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」を制定しました。

以下、東京都ホームページ「マンションポータルサイト」より引用(『 』内)
『東京においてマンション(いわゆる分譲マンション)は、主要な居住形態として広く普及し、都市や地域社会を構成する重要な要素となっています。一方で、建物の老朽化と居住者の高齢化といった「二つの老い」が進行しており、ひとたびマンションが管理不全に陥れば、周辺環境にも深刻な影響を及ぼす恐れがあります。
このような状況を踏まえ、都は、良質なマンションストックの形成等を図り、都民生活の安定向上及び市街地環境の向上に寄与するため、マンションに関わる者の責務、管理組合による管理状況の届出及び管理状況に応じた助言・支援等について規定する条例を制定しました。​』

都では、運営(維持・管理)が十分に出来ていない状況を「管理不全の兆候」と呼んでいます。
外壁の一部が落下するなど、実際に周囲への悪影響がある場合には、「管理不全」と呼んでいます。
これからは、こうったマンション・団地は「選別」されて、「中古市場から排除」されていくと思われます。

あなたのお住まいが、ここまで「ひどい状況」には無いと思いますが、こういったことが「重視」されてきています。
これからは、それが「資産価値」に直結するようになっていくと考えます。
「住まいは居住するところであって、資産価値は関係ない」
「資産価値が落ちようとも、普通に暮らしているのだから問題ない」
という方もいるかもしれません。

しかし、本当にそれで良いのでしょうか?
個人の考え方による事なので、色々な結論があって良いかと思います。
ですが、少しだけ「想像」してみましょう。

「これから一生ここに住み続けるのか?」
「子供が独立したらどうするのか?」
「夫婦のどちらかが亡くなった場合にどうするのか?」
「もっと利便性の高いところに引越さないのか?」

「慣れてしまって、気にしていないが暑さ寒さなど厳しくないか?」
「他の住戸で漏水事故などの話が出ていないか?」
「マンション内に事務所が増えていないか?」
「色々な人が沢山出入りしていて不安ではないか?」
「段差が多くて危なくないか?」 など

前半のことは、今は「住まい」でもいざとなったら売買する「資産」になるという事です。
後半のことは、時間の経過と共に「住みにくくなる要素」が沢山あるという事です。
また、賃貸している方は「賃料」に影響する事になります。

国交省が発行している「改修によるマンションの再生手法に関するマニュアル」では、以下のように記述しています。(『 』内引用)

『マンションの経年に伴う劣化や不具合に対しては、大規模修繕等の計画修繕を適切に実施していくことが必要であり、それにより、マンションの劣化を防止することができます。しかし、修繕だけではマンションの性能の維持・回復しか実現することができません。』
『機能は、住まい方の変化や設備機器の進歩等により年々高まっており、近ごろの新築マンションの性能や居住性は著しく向上しています。これに伴い、高経年マンションでは性能・機能面での陳腐化が進行し、資産価値が低下することにもなりかねません。』
「陳腐化」とは時代の水準よりマンション・団地の性能が劣っている事をいいます。

あなたのマンション・団地でも、しっかりと「陳腐化対策」が必要という事になります。
「古くなる」ことは「資産価値が下がる」「快適に暮らしにくくなる」という事なのです。

これからの管理組合

管理組合の在り方はこれから大きく変わる必要があると考えます。
より積極的に対策などを講じるための「運営」をすることが望まれるのです。
言い方を変えると「経営」する視点が必要と言っても良いでしょう。
建物という「もの」として「グレードアップ」していくという視点が必要なのだと考えます。

「管理組合の経営という視点」
「管理会社」は、単なる「管理」つまり「管理費などの出納」「清掃」「収支の管理」を委託した会社です。
あなたのマンション・団地を「経営」するところではありません。
少しうがった見方をすると、出来るだけ「管理費を高くする」「手間を減らす」ことが利益につながります。
そういった意味では、あなたを含めた管理組合とは「利益相反」するのです。

管理会社の担当の方たちは、業務としてとっても良くやってくれていると思います。
しかし、指摘したのは「仕組み」についてなのです。区別をしないといけないと考えます。

これまで多くの人が、「自分の住戸」以外に関心がなかったので、「管理会社にお任せ」になっていて、「損をしている」状態になっているマンション・団地が多いのです。
「経営」と考えた際に、最重要なのは「自分のマンション・団地に興味を持つこと」という事だと思います。
経営陣が、自分の会社に興味がなければ「どうにもならない」ですよね。

その上で、適切な「専門家」を起用する事が重要だと考えます。
経営陣としての「理事会」に「マンション管理士」が参加するのも、アリだと思います。
この場合は、利益相反しない「管理会社」に所属しない、「マンション管理士」であることが条件となります。
大きなマンション・団地では、「扱う額も大きくなる」ので「会計士事務所」に決算のとりまとめを委託するのもアリだと思います。
普段の「出納業務」は管理会社に委託で良いですが、「決算」は別にしても良いという事です。

古い「管理規約」でも、専門家の起用を認める、条文が入っていました。
現在の「標準管理規約」では、更に進んで組合員以外の「外部専門家」を「役員」とできる、条文も用意されています。
(「役員」とは理事長、副理事長、会計担当理事、理事、監事のこと)
マンション管理士に理事・監事(理事長も可)になってもらう事も可能という事です。

また、理事会自体をなくして「完全に外部委託」する方式もあり得ます。
その場合には、総会でのチェックおよび決議が、これまで以上に重要になってきます。
ここまでやっている、マンション・団地は、私は聞いたことはありませんが、今後は出てくるかもしれません。
特に投資用の区分所有マンションなどは十分あり得そうです。
繰り返しになりますが、居住用の場合には、あくまでも主体は「自分たち」であることが重要だと思います。

また、外部専門家を役員にする場合には、中途半端に管理規約改正をせずに、国交省が示す「標準管理規約」に則って、外部専門家の「位置づけ」「報告義務」「利益相反する場合の開示義務」「賠償責任保証」なども条文に入れておくことが重要となります。

「もの」としてグレードアップという視点
スマートフォンやテレビ、車などは、数年毎に買い替えをしていきます。
建物も「もの」として見て、より良くしていくという発想があって良いと思います。
壊れたりなどの「トラブル」があったり、「塗装の剥がれ。などがないと、お金を掛けて「修繕」をしません。
しかし、「より快適に」「より安全に」という観点で、積極的に「改修」をしていく事によって、「時代に取り残される」ことなく、「資産価値」が落ちていくだけではなく、「維持・向上していく」ようにできるのだと思います。
(※「修繕」とは劣化した部分を直すこと、「改修」とは当初の性能以上のものに変更すること)

古いマンション・団地では、
「自動ドア」になっていない
「オートロック」になっていない
「宅配ロッカー」がない
「防犯カメラ」がない・少ない・性能が低い
などの時代とのギャップが大きくなってきていると思います。

また、「美観」という視点でも、月日が経つと後から色々なものを取って付けていて、ちぐはぐになったりしている部分があるかと思います。
例えば、照明はLED化が進んでいますが、省エネという観点だけで、取り替えた結果として「白い色の照明」「オレンジ色の照明」「その中間色の照明」などが、ごちゃごちゃになってしまっていることが多くあります。
自分のマンションのエントランスなどの共用部分が、「なんとなく古めかしい」「カッコ悪い」と感じるのは、そういった「ちぐはぐ」などの積み重ねが引き起こしているのです。

機能・デザインなどをグレードアップしていくことで「資産価値」はアップしていきます。
(美観などについて、興味のある方は、本ブログの別コラム「【より良い暮らし】マンション・団地の美観について」をご覧ください)

ここでも重要なのが、「自分のマンション・団地に興味を持つこと」という事です。
住戸以外の部分も「自分のもの」であり、「資産」であることを意識をしましょう。

「防災備蓄」にもなる、ウォーターサーバー

 

「ボトル」セット型なので、いざという時の

水の「備蓄」にもなります。

「ボトル」を下にセットするので、地震時も

「倒れにくく」、日常の交換も「ラク」です。


さいごに

これまで以上に、これからは「色々な生き方」が生まれてくると思います。
同じマンション・団地に住まい続けるのではなく、「移り住んでいく」という、「選択肢」もあるのだと思います。
マンション・団地の中古市場が、拡大していくことで、ますますそういった動きが加速していくのだと思います。
あなたのお住まいを、売却しようとする際には、当然ですが「出来るだけ高い値段で売りたい」と思うはずです。
しかし、何もしていない「古くて低いグレード」のマンション・団地は「市場から価値を低く評価されてしまう」でしょう。
「住まい続ける」という観点でも、「陳腐化」が進んでくれば、相対的に「住みづらく」なってきます。
他のマンション・団地と比較すると「快適性が低い」という事になるのです。
家族と共に多くの時間を過ごす、住空間を「大事にすべき」とも考えます。

「資産価値」という言い方をしていますが、「快適性」もその中に含まれているのです。

あなたが所有している、「最大の資産」を目減りさせるのではなく、向上させるように、考えてみてはいかがでしょうか?
まずは、「自分のマンション・団地に興味を持つ」ことから、始めてみましょう。

「疑問点」や「分かりにくい部分」などありましたら、「コメントバック」または「お問合せ」にて、ご連絡下さい。
「マンション・団地の資産価値」や「管理組合運営」「機能向上」などについて、あなたの「お考え」や「経験談」なども、是非お聞かせください。

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